分析・故障解析
Analysis
分析・故障解析

X線光電子分光法(XPS)を用いた分析

概要

軟X線を試料表面に照射し、放出された光電子のエネルギーを測定することで、表面数nmの元素情報を取得する分析法です。エネルギー分解能が高く、化学結合状態の評価に優れています。元素組成の評価や半定量分析が可能であり、深さ方向分析ではArイオンスパッタリングを併用します。ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも呼ばれています。

特長

●試料表面(約0.5~7 nm)の元素分析が可能
●酸化状態や表面官能基など、化学結合状態の評価が可能
●単原子Arイオンスパッタリングを併用することで、深さ方向分析(膜厚評価など)が可能
●有機・無機を問わず測定可能(金属、半導体、高分子、セラミックス、ガラスなど幅広い材料に適用)
●数nmの極表面に特化した高感度分析が可能

分析項目

●表面の定性・半定量分析・・・ワイドスキャン、ナロースキャン
●化学結合状態評価・・・ナロースキャン、ピーク分離(波形分離)
●Arイオンスパッタリングを使用した深さ方向の組成分析・・・デプスプロファイル
各データの見方についてはこちらをご参照ください

分析用途

●表面分析
・・・測定事例(ウエハ、PET:ポリエチレンテレフタレートの表面分析)はこちら
●表面汚染の評価
●表面改質による高分子の官能基評価
・・・測定事例(密着性に関する表面分析:不良のメカニズムの解明・表面改質前後の評価)はこちら
●金属の価数(酸化状態)評価
●酸化・水酸化物などの化学結合状態評価
●酸化膜厚の算出(SiO2換算)
・・・測定事例(Cu板の酸化膜厚値算出、コネクタ端子:Snの酸化膜厚値算出)はこちら
●剥離・変色の原因調査
●はんだ濡れ不良解析
●多層膜試料の膜厚算出(SiO2換算)

測定について

●測定可能試料サイズ:縦50㎜×横50㎜×厚み5㎜
 ※超過する場合は、切断などの前処理が必要
XPSで測定可能なサンプルサイズについてはこちら
●測定範囲(ビーム径):φ10μm~φ200μm
 ※ビームの広がりの影響により、測定領域周辺(最大で約3倍程度)の信号を含む場合があります
●元素検出感度:約0.1at%~(元素・測定条件により異なります)
●測定可能元素:Li(リチウム)~U(ウラン) ※H、Heが検出不可
●スパッタイオン銃:Arイオン
●深さ方向分析:約300nmまで ※ご相談により最大約1μmまで対応可能(条件により費用が変動します)
●帯電しやすい試料(樹脂・絶縁体)にも対応可能(中和機構あり)

注意事項

●膜厚はSiO2換算で算出します
膜厚の定義はこちらを参照ください

●表面の凹凸が大きい試料では、膜厚が実際よりも厚く算出される傾向があります
●フッ素系樹脂は分析不可 (測定中に発生するフッ素ガスが装置にダメージを与えるため)