試料作製
Sample
Preparation

半導体パッケージ開封技術(Cuワイヤ・Auワイヤ)

IC等のパッケージ開封サービスについて

クオルテックでは、半導体デバイスのパッケージ樹脂を薬品などによって溶解し、内部の半導体チップを露出させた試料作製サービスを提供しています。
ICなどの半導体パッケージ樹脂は、シリカなどのフィラーを含有するエポキシ樹脂であることが多いため、発煙硝酸などの薬液処理によって樹脂を溶解させます。
しかし、近年、半導体チップとリードフレームの接続をAuワイヤでなく、CuワイヤやAgワイヤで行う半導体メーカーも多くなっています。
そのため、従来の薬液処理ではワイヤを溶解してしまうことが多くなってきました。
弊社では、薬液条件の改善と共に、レーザ開封設備も併用することで薬品の浸漬時間を短縮し、ワイヤへのダメージ低減ができる開封を実現しています。
また、レーザ開封設備に関しては薬液ダメージ低減だけでなく、高い加工位置精度を有しておりますので、微小ICの高精度加工も可能となっています。
ワイヤダメージが少ない、あるいは、ほぼ無い状態で開封することができますので、故障解析における故障個所の観察や良品解析におけるワイヤの接合試験の評価を行うことができます。

Auワイヤ・パッケージの薬液開封

①サンプル前準備
作業効率向上と観察しやすさを考慮し、ガラエポ基板にサンプルをはんだ付けします。
②薬液準備
開封薬液および洗浄液を準備します。開封用薬液はホットプレート上で所望の温度まで加熱します。
③薬品浸漬
サンプルを開封薬液に浸漬します。
④洗浄
目視にて開封状態を確認後、素早く洗浄を行います。洗浄工程に時間を要すると、半導体チップにダメージが発生します。

Cuワイヤ・パッケージのレーザ&薬液による開封技術

Cuワイヤを有する半導体パッケージの場合、薬液だけで開封を行うと、Cuワイヤに開封ダメージが発生し、良品解析におけるワイヤの強度試験を実施することができません。
弊社では、レーザ開封装置とCuワイヤに最適な組成にした薬液とを併用することで、強度試験可能なレベルまでCuワイヤのダメージを低減した開封を実現しています。
開封手順は、下記の通りとなっています。

1. X線透視観察

パッケージ構造の内部を、あらかじめX線で透視することでレーザ開封の加工領域を決定します。

2. サンプル前準備

Auワイヤ品と同様にガラエポ基板にはんだ付けを行います。

3. レーザ開封

X線で透過観察した結果から開封位置を確認した上で、レーザ加工を行います。
この際、後工程の薬液開封時におけるダメージを低減するために、ワイヤの評価に支障をきたさない限界まで、レーザで樹脂を先に除去しておく事が重要です。

4. 薬液開封および洗浄

Auワイヤ品よりも手早く薬液開封と洗浄を行います。
開封用薬液はホットプレート上で所望の温度まで加熱準備しておきます。
サンプルを開封薬液に浸漬し、目視にて開封状態を確認後、素早く洗浄を行います。
洗浄工程に時間を要すると、半導体チップにダメージが発生します。

LED開封(その他の開封事例)

LEDの場合は専用の有機溶剤を用いてパッケージ材料を溶解します。

まとめ

ワイヤダメージが少ない、あるいは、ほぼ無い状態で開封する事が出来ます。
これらの開封試料により、故障解析における故障個所の観察や、良品解析におけるワイヤ接合度の評価が可能です。

  • レーザ開封装置