研究開発・コンサルティング
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研究開発・コンサルティング

広い電位窓を有する水系電解液 Aqueous electrolyte with the widest potential window

概要

電気二重層キャパシタや二次電池の電解液として、水溶液は電気化学的特性と安全性において、非水溶媒より遥かに優れています。
しかしこれまで、水系の電解液は電位窓(水の分解電位)が狭く、鉛蓄電池の2.0 V程度が上限でした。
そのため、水系蓄電デバイスは3 V以上の電位窓をもつ非水溶媒系キャパシタに太刀打ちできませんでした。
クオルテックでは、過塩素酸塩を飽和まで水に溶解させた飽和過塩素酸塩水溶液において、水溶液の電位窓が3 V程度まで広がることを世界で初めて見出しました。
上記より、高濃度の水系電解液はこれまでの水系電解液より高い印加電圧が可能となる為、水系蓄電デバイスの発展に寄与することが期待されます。

高濃度過塩素塩電解液の特性

  • 図1. 飽和過塩素酸ナトリウム電解液における、電解液の温度と導電率の関係

  • 図2. 種々のアルカリおよびアルカリ土類金属の過塩素酸塩を飽和まで水に溶解させた水溶液の電位窓、作用極:ガラス状カーボン、対極:白金、参照極:Ag/AgCl、掃引速度:1 mV/s、電解液温度:25℃

1) H. Tomiyasu, H. Shikata, K. Takao, N. Asanuma, S.Taruta, and Y.Y. Park, Sci. Rep., doi:10.1038/srep45048 (2017).
2) Y.Y. Park, H. Tomiyasu, H. Atarashi, Y. Sugibayashi,M. Saito, and N. Asanuma, Electrochemistry, 88, 99–106 (2020).
3) X. Bu, L. Su, Q. Dou, S. Lei, and X. Yan, J. Mater.Chem. A, 7, 7541-7547 (2019) .

高濃度電解液の特徴

・電位窓が広い
・水系なので、発火および引火しない
・高濃度においても有機系より伝導率が1-2桁程度高い
・材料費が安い
・取扱いが容易

電気二重層キャパシタへの応用

  • 図3. 作製した電気二重層キャパシタの外観。
    正極・負極:活性炭、電解液:飽和過塩素酸ナトリウム水溶液

  • 図4. 充放電曲線。
    定電流充電:500 mA、 定電圧充電:2.2 V、30 min、定電流放電:300 mA、温度:室温

電解液の応用先 / 提供技術

■応用先
高濃度水系電解液を用いた蓄電デバイス
風力発電・太陽光発電などの再生可能エネルギー関連の蓄電デバイス
■提供技術
高濃度水系キャパシタ向けの電極材料開発
広い電位窓を利用した新しい概念のめっき技術開発 etc…