分析・故障解析
Analysis
分析・故障解析

EGA-MS(発生ガス質量分析法)による高分子材料の熱特性評価

概要

試料を連続的に昇温加熱すると、まず揮発性成分が放出され、その後に高分子の分解に伴うガスが発生します。
EGA‑MS(発生ガス分析質量分析)では、これらの発生ガスをガスクロマトグラフィー(GC)で分離せず、直接質量分析計(MS)に導入してリアルタイムで検出します。

このとき得られる発生ガスの強度変化を温度に対してプロットしたものはEGAサーモグラムと呼ばれ、試料の熱的特性を視覚的に把握することができます。
 
EGAサーモグラムからは、
〇揮発成分の脱着温度や発生条件
〇高分子材料の熱分解温度
〇試料全体の熱挙動
などを推測することが可能です。
 
また、未知試料の分析においては、まずEGA‑MSにより試料全体の熱特性を把握し、その結果をもとに分析対象となる温度領域や成分を絞り込むことで、効率的な詳細分析(GC/MSなど)につなげることができます。
 
一般的な熱分解GC/MSでは「どのような成分が含まれるか」を調べるのに対し、EGA‑MSは「それらがどの温度で発生するか」を把握できる点に特長があります。

  • 分析事例(ポリスチレン)

分析結果

・200℃から300℃にかけて添加剤を含む揮発性成分が見られる
・400℃付近から高分子の分解が始まり、500℃付近でその分解が終了している。
 
このことより、揮発性成分は熱脱着分析法より350℃まで加熱することで分析ができ、高分子の熱分解温度は550℃が適当であると推測できる。
(高分子の熱分解終了温度より50℃程度高い温度が、良好な再現性が得られる最適な熱分解温度の目安となる。)