信頼性試験
Reliability
Test
信頼性試験

アバランシェ試験/連続アバランシェ試験

アバランシェ試験とは

背景

近年パワー半導体が電気自動車、ハイブリッド自動車、発電装置、電力変換装置(インバータ)等の誘導性負荷が幅広い分野で使用されるようになり、それらを制御するパワー半導体に高い信頼性が求められるようになってきています。
さらに大電流・高速スイッチングかつ、軽薄短小、コストダウンの要求が強く、十分なマージンを確保した設計が難しくなってきている傾向にあります。

目的

本試験で評価するアバランシェとは英語で「雪崩」を意味し、IGBTを例にとるとインダクタに蓄えられたエネルギーがゲート(G)をOFFにした瞬間にコレクタ(C)-エミッタ(E)に流れ込む現象です。
この現象に対して、
1. パワー半導体の定格限界での信頼性評価や、定格オーバー条件でパワー半導体の実力を評価する。
   たとえば、仕様が同じで異なるメーカのデバイスの実力差を評価する。
2. 使用環境に応じた試験を実施し、実際の使用条件をシュミレートする。

弊社アバランシェ試験の特長

クオルテックでは、Tj(接合温度)をリアルタイムに測定しながら、エンジンルームなど実使用に近い環境下で挙動を確認することができます。
また、独自開発した水冷制御システムを用いて、試験中に発生する熱を冷却しながら、連続で試験を行うことにより、アバランシェ耐性を確認する事も可能です。
弊社では、試験基板レベルからシステムを組上げますので、例えば、スイッチング時のエネルギーロスの測定など、要求される仕様に応じた試験を実施しています。
電圧、電流、クランプ時間の個別設定、高電圧、大電流の設定が可能です。600V、1000Aを超える試験まで可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。

特長

1. シングルパルス、ダブルパルス、連続パルスなど、多彩なパルス出力が可能。
  繰り替えし回数:1億回以上
2. 複数デバイスを異なる条件で、連続パルスアバランシェ同時試験が可能。
3. リアルタイム温度測定(モニターダイオード、FRD、FWD)が可能。
4. 電圧、温度、電流をモニター可能

仕様

1.オンオフ時間制御:0.2us単位
2. 電圧:~600V
3. 電流:1000A以上
4. サイクル回数:1億回以上
5. 同時に試験可能なデバイス数:6
●シングルパルスアバランシェ試験
シングルパルスでアバランシェ波形、電圧、クランプ時間を観測します。
●ダブルパルスアバランシェ試験
逆回復時間やスイッチング特性を確認します。
●連続パルスアバランシェ試験
誘導性負荷を駆動する場合の耐久信頼性試験

波形事例

パワー半導体の破壊予防の自動停止機能

Tj温度、電流、Vce(Vds)電圧、電力、熱抵抗のリアルタイムな測定が可能。
デバイスの破壊予兆を検知し、試験の自動停止が可能。破壊の連鎖によって故障個所が特定できなくなる、といったトラブルを防ぎます。
1. Tj温度をモニターし、上限温度に到達した場合、自動で試験を停止する。
2. デバイスが破壊した場合は、そのデバイスの試験を停止し、破壊の進行を防ぐ。
3. サイクルごとに、通電前後の温度を測定し、温度が制限範囲を超えると自動停止する。