TD-GC/MS(加熱脱着-ガスクロマトグラフ/質量分析装置)による固体試料から発生するガスの成分分析
概要
TD-GC/MSは、専用チューブに充填した吸着剤に大気やガスを捕集し、その成分を分析する手法によく用いられます。
それだけではなく、チューブに固体試料を直接入れて加熱し、発生するガスを分析することも可能です。
チューブの加熱温度や加熱時間は、目的に応じて設定することができます。

チューブの外観写真
上:空のチューブ
下:サンプルを入れたチューブ
装置仕様
・装置
島津製作所製 TD-GC/MS
TD部: TD-30R
GC/MS部: GCMS-QP2020NX
・チューブ加熱温度: 室温+15~430℃(制御可能範囲)
※実際の測定では、300℃程度を上限とさせていただいております。
300℃以上での実施についてはご相談ください。
・チューブ加熱時間:0~240分
※実際の測定では、10分程度が標準条件となります。
・チューブサイズ:外径 6.35 mm、長さ 89 mm
※内径は約4 mmです。
※1回の分析に必要な試料量の目安は、数十mg~数百mgです。
用途例
・樹脂、ゴム製品の発生ガス分析
・電子部品の発生ガス分析
・試料表面の付着物の分析 など
測定例
①梱包用布テープ
テープ使用時に感じる臭気が気になったため、TD-GC/MSを用いて発生ガスの分析を実施しました。

テープを貼った段ボール箱
<チューブ加熱条件>
120℃×10分
<結果>
「トルエン」と推定されるピークが強く検出されました。
その他、芳香族化合物や酸化防止剤等が検出されました。
テープ使用時に感じた臭気は、主にトルエンの臭いと推定されます。
②コネクタの樹脂部分
パソコンの基板に使用されていたコネクタの樹脂部分について、
TD-GC/MSを用いて発生ガスの分析を実施しました。

コネクタの外観写真
<チューブ加熱条件>
120℃×10分
<結果>
アルコール類や、臭素を含むと推定される物質が検出されました。
③インク
アルミホイルに油性マーカーを塗ったものについて、TD-GC/MSを用いて発生ガスの分析を実施しました。
<チューブ加熱条件>
120℃×10分 または 240℃×10分
<結果>
いずれの温度条件でも、溶剤等に使用される「1-メトキシ-2-プロパノール」と推定されるピーク等が検出されました。
一方、「2-エチルヘキシルオキシプロピルアミン」等と推定されるピークは、120℃では検出されませんでしたが、
240℃では検出されました。
関連情報
GC/MSの原理や、 GC/MSによるその他の分析事例は、以下をご覧ください。
設備機器紹介
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TD-GC-MS


