分析・故障解析
Analysis
分析・故障解析

電界放出型走査顕微鏡(FE-SEM)

概要

FE-SEM(Field Emission SEM)では、電子線を絞り細い電子線を試料に照射し、表面を観察する装置です。超高分解能観察が可能です。汎用SEMと同様に電子線を絞り電子ビームとして対象に照射し、対象物の表面から放出される二次電子や反射電子を検出することで、対象の表面の観察を行います。またJSM-7100Fでは、EDS及びEBSD解析装置が装着されているため、高分解能の観察だけでなく元素分析や結晶性試料の方位解析(EBSD解析)ができます。

特長

1.サブミクロンオーダーでの観察が可能
汎用SEMより高倍率で形態観察が可能で、より鮮明な像を取得する事ができます。

2. EDX(エネルギー分散型分析装置)による定性分析
FE-SEMには、EDXが装着されており、試料観察と同時に元素の種類・量・分布状態を調べることが可能です。
 
 
3. EBSDによる結晶方位解析
はんだやアルミなどの金属結晶の微小な方位差の測定を行うことでできます。 

分析原理

FE-SEMでは真空中で細く絞った電子線で試料表面を走査し、試料から発生する二次電子や反射電子を検出し、電気信号に変換することでモニタ上に試料表面の拡大像を表示します。
熱電子放出型のSEMとは異なる、電界放出型の電子銃を用いるため、長時間安定な電子プローブが得られます。
そのため、電流が安定になるのを待つことなく、すぐに高倍率の画像を観察することができます。

設備紹介

・型式:SU7000
・メーカ:株式会社日立ハイテク
・分解能:0.8nm(15kV),0.9nm(1kV)
・倍率:20~2,000,000倍
・観察倍率:~約20万倍
・最大試料サイズ:200mmφ 高さ80mm
・EDS:EDAX社製 Pegasus
・EBSD:EDAX社製 Velocity
 
・型式:JSM-7100F
・メーカ:日本電子(株)
・分解能:1.2nm(30kV),3.0nm(1kV)
・倍率:×10~500,000
・観察倍率:~約10万倍 
・試料室寸法:86㎜φ×40mmH             
・最大試料サイズ:32 mmφ
         高さ 30 mm
・EDS:EDAX社製 Pegasus
・EBSD:TSL社製

分析用途

・表面状態の凹凸や組成像の観察
・めっきなどの膜厚測定
・はんだなど金属の観察
・合金層の観察