分析・故障解析
Analysis
分析・故障解析

基板やコネクタ端子の表面処理などの膜厚測定を、スピーディに行うことが出来ます。

蛍光X線膜厚測定

内殻の電子が放出され空位となった軌道を外殻の電子が埋めると、差のエネルギを持った蛍光X線が放出されます。
これは特性X線とも呼ばれ、元素に特有のエネルギ(波長)を持つことから、この特性X線を検出することにより元素分析を行うことができます。
蛍光X線膜厚測定器は膜厚が既知の標準試料(2種類以上)を測定して、その特性X線の強度から検量線を作成し、未知試料の膜厚を測定する装置です。

機能

・X線発生系にキャピラリを採用し、X線を集光することにより従来のコリメータ方式に比べ10倍以上の蛍光X線強度を発生するため、微小部の膜厚測定の精度が向上しています。またX線検出器を従来の比例計数管から半導体検出器に変更することで、X線感度、分解能が大幅に向上しました。
・φ30 μmまで集光するので、これまで困難であった微細な領域の膜厚測定が可能になりました。
・レーザポインタによる自動高さ設定が可能になりました。 (オートフォーカス)
・薄膜FPモードにより検量線作成が従来より簡便になりました。蛍光X線の実測強度に対し,同様な理論強度を与える物質量・組成比を収束演算により求めます。理論計算モデルと実際の装置の差異を補正するため1点の既知試料を標準として登録します。

使用上の注意

・キャピラリで集光する方式となり、検出器とサンプルとの距離が3mmまでとなったので、サンプルの段差には注意が必要です。
・母材が0.5mm以上無い場合は裏面側の箔の情報を読み取ってしまうことがあります。
・同一元素が下地(母材・多層めっき)に有る場合はその情報も読み取られるため原理上、測定ができません。
 例:青銅( CuSn 合金)上のCu( Sn )めっき厚
・測定面が平坦でない場合X線が乱反射するため検出が困難になり、正確な値がでません。

分析用途

・基板表面処理( Ni/Au めっき,はんだレベラ)の膜厚測定。
・部品電極,コネクタ端子表面処理の膜厚測定。
・簡便な定性分析。

設備紹介

[蛍光X線膜厚測定装置]
SFT9550X (日立ハイテクサイエンス製)
・X線管を用いた上面垂直照射方式
・最大管電圧:50 kV
・最大管電流:1000 µA
・ビームサイズ:φ30 µm
・実測分解能:0.01 µm
・最小測定幅:70 µm
※45 kVフィルタなしの条件で測定した場合で、
上記幅の中で膜厚が実効的に一様である場合の値です。