私たちを取り巻く環境が大きく変化しています。2010年代からVUCAの時代といわれ、数々の激動が起こり、2020年代には新型コロナウイルスによるパンデミックが発生しました。自動車業界に目を向ければ、ヨーロッパを中心にガソリン車の販売禁止計画が発表されるなど、より環境に配慮した自動車でなければ走ることができない時代がやってきます。

　また、2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs（エス・ディー・ジーズ）」に代表されるように、持続可能な社会の実現に向けた世界的な活動も加速しています。ゴール（目標）達成のためには、当然のことながら、科学技術の発展が不可欠になります。

　クオルテックでは、お客さまの開発スピードや改善スピードの向上に貢献するため、物理学、化学、電気工学、生化学など幅広い学術領域をカバーする専門家と、設計開発、生産技術、品質保証など設計や製造の現場に精通した技術者により、トータル・クオリティ・ソリューションの提案をしております。創業当初の「再現実験を繰り返し、問題の真の原因を突き止め、改善策を提案する」精神は、現在も脈々と受け継がれ、弊社独自の社風・文化を形成しています。

　成長投資については、SGSジャパン株式会社とジョイントベンチャー企業「SGSクオルテック株式会社」を設立しました。自動車および電気電子業界における技術的な課題を抱えたお客さまに対して、クオルテックおよびSGS両社のサービスを、一体的なソリューションとして提供して参ります。

　世界は大きな変化を要求される時代となり、特に、自動車業界においては百年に一度の大変革期を迎えています。
「CASE」と呼ばれる新しい領域で技術革新が進む中、自動車の概念は大きく変わろうとしており、弊社においても、車載製品（車載電子部品）に対応した分析・評価技術の拡大と専門力の強化を推進している最中であります。モータやインバータのような大型部品からパワー半導体まで、信頼性評価・解析技術の進化について、従来の技術のブラッシュアップを行っております。とは言え、弊社の技術はさらなる成熟の過程にあります。今後とも、皆様のご支援およびご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。