研究開発・コンサルティング
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はんだ接合部におけるエレクトロマイグレーションが及ぼす影響について調査・報告いたします。 ~パワー半導体・パワーモジュールへの影響~

背景

近年、200℃以上での高温動作が可能であるSiCパワーモジュールの実用化が進んでいます。
高温動作が可能なため、より大きな電力を扱えます。また、単位面積あたりのオン抵抗が低く、小型化が進みます。
そのため、パワーデバイスのダイアタッチ部の電流密度は一層高くなります。
このようにパワーデバイスの動作温度が高くなり、また電流密度が高くなることから、パワーモジュールにおいても、電子流による元素の拡散現象であるエレクトロマイグレーション(EM:Electro Migration)が発生しやすくなります。
そこで、EM試験時の電流密度がNi-P/Sn-0.7Cu/Ni-Pはんだ接合部のEMに及ぼす影響について調査しました。

試験方法

EM試験サンプルは、下左図のように、2枚の銅板をSn-0.7Cuはんだ(100μm厚)を大気圧下で接合し、その後ヒータチップを、焼結銀ペーストを用いてHot側Cu板へ接合しました。
EM用配線を接続後、試験サンプルの端面を、はんだ接合部が露出するまで研磨し、鏡面仕上げとしました。
サンプルは恒温槽内に設置、電流を流し、200℃で試験を行いました。
電流密度は0、2、5、10 kA/cm2で試験を行いました。
試験後のサンプルは端面を再度鏡面仕上げし、はんだ接合部をSEMにより観察しました。

実験結果

1.各電流密度のはんだ接合部の断面SEM像と元素分布
電流密度0kA/cm2では、合金層の堆積は見られませんでした。2kA/cm2以上ではアノード側に合金層の堆積が見られました。電流を流すと、アノード側にNiの堆積が見られました。
以上の結果から、カソード側からアノード側へ向かってNiのEMが発生していることが確認できました。
また、NiのEMは電流密度の増加によって顕著に促進されることがわかりました。

結言

EM試験時の電流密度が、Ni-P/Sn-0.7Cu/Ni-Pはんだ接合部のEMに及ぼす影響について調査しました。
2kA/cm2からEMが発生し、電流密度の増加に伴いEMが促進されることが明らかになりました。