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事例紹介

  • 信頼性試験2018/08/12

パワーサイクル試験

背景と目的

【背景】
近年、産業用機器から一般家電、電気自動車、発電装置、電力変換装置(インバータ)等の幅広い分野で、パワー半導体(およびモジュール)が使用されています。電力変換や電力トルク変換エネルギーの使用効率を大幅に向上するため、大電流、高電圧、高速スイッチング、低損失(低発熱)かつ過酷な環境での動作を実現するデバイスが要望され、開発競争も激化しています。その一方で、高温・低温・振動など使用環境に合わせた高い信頼性が要求されます。特に、チップの自己発熱と冷却を、短時間で繰り返す熱ストレスへの耐久性を評価するために、「パワーサイクル試験」の重要性が増しています。

【目的】
パワーサイクル試験とは、パワー半導体モジュールに使われる各部材の接合信頼性を評価するためのものです。パワー半導体に大きな電力を印加し、チップの自己発熱と冷却を繰り返し引き起こすことで、線膨張係数が違う各部材の熱応力への強度を確認します。チップ、基板、はんだ、ワイヤーボンディングそれぞれの界面における接合信頼性や、チップやパッケージ樹脂の歪、クラックに対する耐久性評価に利用されます。

【試験の利用例】
1)初期故障箇所の洗い出し
2)特性の異なるデバイスを同一条件で試験する事で、各デバイスの優劣が明確になる。
  スペックシート上では性能が同じだが、異なるメーカ間の実力差を確認する。
3)破壊した条件から、デバイスに適切な試験条件を推定し、その条件でさらなる試験が可能。
4)ログ機能により、劣化の経緯をデータ化。

パワーサイクル試験

試験システムの特長と仕様

【特長】
クオルテックでは、電気・電子回路、マイコンファームウエア、PCアプリケーションソフトウエア、水冷制御システムを自社で開発・設計しております。そのため、お客様のご希望に応じた試験システムのカスタマイズが可能。
さらに、長年の実績から蓄積された経験を活かし、試験条件のご相談から承ります。パワー半導体やモジュールに採用予定の部品、パワーモジュールを搭載したユニットの、開発スピード向上にご活用ください。

1)試験装置のカスタマイズを最大の特長としています。
2)MOSFET、IGBT、SBD、FWDなど、全てのパワー半導体に対応可能
3)Si、SiC、GaNの材料に対応
4)豊富なチップ温度の測定技術を保有(Vf・Vce・Vdsの温度特性より算出、熱電対の使用など)
5)パワーモジュールの熱抵抗測定が可能
6)破壊の初期状態を検知し、後工程となる故障解析が容易なサンプルの作製が可能
7)複数のサンプルを同時に試験できるため、試験期間の短縮を図れます。
  同時に16素子までの試験が可能(ただし、試験サンプル・試験条件による)。
8)試験機を50台保有しており、試験のスケジュール調整が容易。


【仕様】
1)同時試験サンプル数:16素子/台(ただし、試験サンプル・試験条件による)
  試験サンプルがさらに多数の場合、複数の試験機を使用して対応
2)ON時間:0.01sec~300sec(0.01秒単位で設定可能)
2)冷却時間:0.5sec~1,000sec
3)冷却温度:水冷式/-5℃~100℃、空冷式/-40℃~175℃
4)試験電流:1素子あたり:0~1100A(800A以上は要相談)。
5)試験電圧:最大15V程度(8V以上は要相談)
5)電流・電圧・ジャンクション温度・(飽和)熱抵抗の記録可能

パワーサイクル試験

制御機能

【自動制御】
1)Tjが目標温度の±1.0℃になるよう、電流または通電時間を自動可変します。100mA単位で制御。
2)Tj、Vce(Vds)、電流をリアルタイムに監視し、異常を検知した場合はそのデバイスのみ、試験を中断。
  デバイスが完全破壊に至る事を防ぎます。
これにより、
・破壊寸前のデバイスを確保し開封することで、初期故障個所の特定や破壊原因の究明が容易になる。
・中断条件を緩和していくことで、破壊の進行度を段階的に観察する事ができる。
・破壊原因から、試験デバイスの使用限界を推定できる。

【手動制御】
1)ゲート電圧-10V ~ +20V
2)冷却液温度ならびに流量

パワーサイクル試験

温度特性(K-Factor)の測定

試験開始前、あるいは試験途中や試験後に、パワー半導体の温度特性(K-Factor)を測定します。
測定温度範囲は、-40℃~200℃(175℃以上は要相談)。
一般的には、試験温度範囲の中で4~5点の温度測定ポイントを設け、温度特性を測り、一次式を導き出します。

パワーサイクル試験

【参考】複数デバイスの同時試験

右図の波形は、1つのシステムで4個のデバイスのパワーサイクルを実施しているときの波形です。複数のデバイスを複数の試験装置で試験した場合、試験結果には装置間のばらつきが含まれるために、正確なデバイスの比較ができません。クオルテックでは、ひとつのデバイスが通電オフの期間中に、他のデバイスに通電することで、一定間隔の通電オン・オフを繰り返し、デバイスに熱ストレスを与えています。同一の試験装置を使って、複数のデバイスを同時に試験することで、正確な性能比較が可能となります。

パワーサイクル試験

【参考】ノイズコントロール技術

GaN/SiCなどの新しいデバイスは、低オン抵抗および高速スイッチング性能向上のメリットがあります。この特性上、パワーサイクル試験時においてもスイッチングノイズ(サージ等)に敏感に反応する可能性があり、デバイス破壊の危険性を持ち合わせています。クオルテックでは豊富な経験に基づいたノイズコントロール技術を確立しており、突入電流およびサージ電圧に影響しない試験環境を提供しています。

パワーサイクル試験

パワーサイクル試験(空冷システム)

弊社では、水冷式パワーサイクル試験だけではなく、空冷式パワーサイクル試験にも対応いたします。

【試験条件事例】
1.時間制御方式:通電on時間一定(t1)、通電off時間一定(t2)
2.温度制御方式:目標温度(Tjmax)に到達した時点で通電off、目標温度(Tjmin)に到達した時点で通電on
3.時間・温度混在の制御方式も可能

パワーサイクル試験

トータル・クオリティ・ソリューションについて

弊社では、パワーサイクル試験前後や試験途中における各種測定、観察、解析も一括で実施しています。是非ご活用ください。

【測定・非破壊解析】
▶電気特性の測定(I-V特性・リーク電流・各種電圧・耐圧等など)
▶超音波顕微鏡のよる観察
▶高分解能X線CTによる観察
▶ロックイン発熱解析

【破壊解析】
▶機械研磨・イオンミリング・CP
▶プラズマFIB-SEM+EDSによる試料作製と解析
▶EBSD(電子線後方散乱回折法)解析
▶半導体パッケージの開封

まとめ

弊社では、お客様のご希望にお応えできるよう国内最大級となる50台の試験機を保有しています。
お客様のご要望にお応えするだけでなく、「未来品質」を生み出す新製品の開発を支えるため、新たな試験方法の提案も行っています。
また、試験サービスだけではなく、試験装置の開発・販売も行っております。
ぜひ一度、お問い合わせ下さい。
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